ハエ

投稿者 admin 投稿日時: 2011/05/22 23:47:00

トイレに入り用を足して手を洗う。
この「手を洗う」という行為に、時々だが小さな戦が始まる場合がある。
手をかざすとセンサーが感知し、蛇口から水が流れる。
公共施設の洗面所でよく見掛けるタイプだ。
しかしいくら蛇口の下に手をかざしても、水一滴滴る事もなく、ただゆっくりと空気を切り裂いただけの場合がある。
何かちょっと俺がすべった感じの空気に包まれる。
少しイラつきながら掌を左右に動かすと、センサーが感知し、待望の水が流れてきた。
「よし」
と思い手揉み洗いを始めると水はピタリと止まり、ただハエのものまねをしているオッサン状態になってしまった。
こうなると戦も宴もたけなわ。
また水が流れるよう、手揉み状態の手を先程よりも高速で左右に振る。
俺の意気込み、気迫に押されたのか、蛇口からは降参するかの如く水が流れ始めた。
俺は勝利の余韻に浸りながら、気が済むまで手揉み三昧を満喫していると、再びピタリと水が止まった。
本日2回目のハエのものまね。
1秒前と今と何が違うのだ。
手の位置は全くといっていい程変わってはいない。
俺は気付いた。
『コイツはバカなのだと』
まあ手を洗うというミッションはほぼ達成していたので、バカの相手はこれぐらいにしておこうと、濡れた手を乾かす為にエアータオルへと進んだ。

エアータオルに手をかざすと、ブォーと勢いのある風が流れ始めた。
濡れた手が乾いていくのがわかる。
手をかざしているエアータオルの中を何気なく見ると、茶色で長方形の物体がある事に気付いた。

「なんだこれ?」

腰を屈め確認する。

まさかの

【うんこ】

いや

そんな事は無いともう1度確認する。

残念ながら

【うんこ】である。

せめて【カリン糖】だったらいいな。
戦後間もない子供達が思い描いた以来の、俺の甘い希望は一瞬で打ち砕かれた。

何故、今、この場所で君と出会うのだ。

直接触れた訳ではないが、何か気持ち悪いので、もう1度バカの待つ洗面台へと戻る事にした。

その姿は負け戦の敗残兵そのものだろう。
もちろん本日3回目のハエのものまねをした事は言うまでもない。

コメント:

投稿者 Mobile Application 日時
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